
日本では任天堂株式会社(ニンテンドー)【7974】の知名度が高すぎて、よくよく理解されていないようですが、ポケモンはそもそも任天堂の子会社である株式会社ポケモンの商材として独立しています。
で、結論から先に言いますが、今回のポケモンGOの開発元はニンテンドーでも株式会社ポケモンでもありません。
NIANTIC(ナイアンティック)という会社です。
>https://www.nianticlabs.com/blog-ja/
この会社は、元々『イングレス』という位置ゲーを開発販売していた会社でした。
日本で位置ゲーといえば『コロプラ』などがありますが、『イングレス』は世界で一番熱狂的なファンを持つ位置ゲーと言えるのではないでしょうか。
先行配信された米国でのポケモンGOの売り上げは1日6億円を超えると言われていますが、その売り上げは任天堂、ポケモン社、ナイアンティックの3社で分割すると報じられています。
このことが認知されていなかったリリース当時の任天堂の国内株価はかつてないほど急伸しました。

参考:SBI証券
一時は3万円代を付けた株価も、『よくよく調べたらナイアンティックじゃん!』という株主たちの気付きとともに、ストップ安を記録するほど、あっという間に2万円代前半まで戻り、今は安定しています。
参考記事>http://forbesjapan.com/articles/detail/13055
Contents
CEOのJohn Hanke(ジョン・ハンケ)氏
社長のジョン・ハンケ氏は元Googleの社員。
実は、Google Earth(グーグル・アース)を開発した人。
当時からGPSなどの位置情報に興味が強かったようで、Google Earthを開発後、元Apple CEOの故Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏に『iPhoneにGoogle Earthをデフォルトで導入してくれ!』と直談判した程の好きっぷり。
結局、デフォルトでの導入は叶いませんでしたが、App Storeからのダウンロードで上位アプリとして、現在も人気のあるアプリ。
私も、最初にその精度と緻密さに直面した時、一日中Google Earthに触っていたのを覚えています。
ハンケ氏の経歴について
現在49歳
人口1,000人ほどしかいないテキサス州の田舎町「クロス・プレインズ」という町で生まれ育った彼はその後、テキサス大学オースティン校を卒業し、カリフォルニア大学バークレー校でMBAを取得するなど、類い稀な努力家であることがわかります。
卒業後、Keyhole,Incを設立
この会社は、Googleに認められ友好的買収をされました。
それからハンケ氏はGoogleの雇用下になり、10年間Google社員として勤めました。
その時に、Googleアース / Googleマップ / Googleストリートビューなどの世界の位置情報サービスの原点を作り上げているのです。
Niantic Labsを内部起業
その後は、現在のNianticの元となるNiantic LabsをGoogleに在籍しつつ、設立しています。
これには諸説ありますが、おそらくは再び起こるであろう買収を恐れてのことなのか…はたまた、Google社内に“チームNiantic”を完成させたのか…。
イングレスをリリース
私自身、イングレスというゲームがあることは知っていました。(数年前にダウンロードだけしていた)
ですが、その当時はバッテリー持ちなどの懸念から、位置ゲーをやることのメリットが薄かったように感じます。
当然、ハンケ氏もそのことによるハードルは感じていたようで、近年は人気キャラクターとのコラボによる位置ゲーの開発に注力されてきたようです。
Nintendoに最初に持ちかけた時には、ポケモンではなく「マリオとドンキーコング」をモチーフにした案だったのだとか。
数年前にNintendoの社内向けアプリに現在のポケモンGOの原型となるようなゲームをリリースしていたそうで、その社内の反響にが今回のポケモンGO開発開始の決め手となったようです。
位置ゲーをパクれないワケ
ここまで説明したように、[Google Earth]→[Google Map]→[Ingress]→[Pokemon GO]と長年の研究・開発を続けてきたハンケ氏のノウハウは簡単にマネできるものではありません。
圧倒的なPortalデータ
“人間の本気”で作られた膨大なPotalデータ(ポケストップ)は、競合が一朝一夕で構築できるほど甘いものではない。
日本のポケストップの数
- 東京 62785
- 神奈川 29099
- 大阪 21979
- 愛知 21254
- 埼玉 14884
- 千葉 14363
- 兵庫 11773
- 福岡 11765
- 北海道 11144
- 京都 10079
- 静岡 7857
- 岐阜 5405
- 宮城 4985
- 茨城 4731
ご覧の通り、日本だけでもこれだけの数のPotalデータがある(!!)
これを、0から構築するというのは…どれほどの時間と労力がかかるのだろう…。
とあるポータルでは、Nianticの位置ゲーシステムをパクるためには、“大人げない優秀なエンジニアを数年タダ働きできればパクれる”としています。
たしかに、エンジニアという人種は志の高く、ドリームストーリーが好きな人種ではありますが…さすがに数年間タダ働きは…。。。
つまり、それだけの膨大な開発費を用意できる起業であれば、数年の開発期間を経て位置ゲーをリリースできる!ということになりますね。
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